認知症は単独の病気ですが、その人には、他にもたくさんの病気が身体にあります。それも忘れずに。

認知症ほど老人の病気として知れ渡っている病気は他にはないでしょう。
昔は、ボケとか恍惚とか言われていたのを知っていますか。病気とは認められていなかったのです。
病名がはっきりしているだけでも前進だと思います。
社会が受け入れなければならない問題だという事が分かるでしょう。
認知症は精神科で治療して貰えます。薬をたくさん処方されます。でも治りませんよ。認知症はまだ現段階では治らない病気です。
病院で死亡診断書に認知症と記入されることはありません。
癌と同じくらい恐怖の病気なのに、認知症で死ぬ事はありませんから、世の中も、どのように考えたらいいのか分からない所があります。
ですから、認知症の人が電車に撥ねられ死亡すると、鉄道会社から多額の請求を求められます。大変な時代です。
認知症とはどのように判断されるのでしょう。
病気としてだけなら、病院の医師の診断書でいいのです。
ところが、認知症はそれ以外にもたくさんの問題が含まれます。
身体障害者としての認定です。障害者としての等級です。1から3まであります。本人も家族もどの等級に入るかで、経済的にも世話の方法に大きな違いが出て来ます。
もう一つは、介護の問題です。
この介護にも、要介護の数値が決まっています。1から5です。
この中の何処に認定されるかで、障害者と同じように負担が全然違います。
ここで、もっと大きな問題にぶつかる人が殆どです。
認知症の人は、殆どが他の病気を持っていること。複数の病名を持って、行政の障害者、介護の仕分けに直面します。
認知症の人は、内臓に病があったり、足や手や腰に病を持っている。
これが、治療や介護に間違った判断を持たれる事が問題なのです。
例えば、介護の必要な人が、特別養護老人ホームに入居するとします。
認知症を持っている、足が悪くて歩けない、トイレにも行かれない、手が悪くて一人では食事も出来ない。内臓が悪いから食事も皆さんと別メニューになる。
これらを引き受けてくれる特養ホームはそんなに数はありません。
病院に入院を促されます。病院はその日の治療はしますが、入院までは認めないのが殆どです。
ここが問題なのです。
老人の病気として、認知症を考える時、必ず複数の病気と一緒に考えて欲しいのです。
老人病という名前に変えて、総合的に対処するような国の姿勢が見られることを願います。